ヴァイブ
再会の日
「いい男はいた?」

缶ビールを片手に、琴子が言う。

今日は、琴子が遊びに来ると言った水曜日。

「いない。ハズレだったよ。」

つまみに出した、チーズを食べながら答える。


琴子は、高校を卒業してからペットショップの店員をしている。

それを初めて聞いた時、

あぁ。琴子なら合うな。

単純に納得した。


いつだったか、まだ高校生の頃

二人で歩いてる時、車道に猫が車に跳ねられて死んでいるのを見た。

私は、とっさに違う方を見た。

だって、腸とか出てて気持ち悪いと思ったから。

「琴子、行こっ!」

すぐにその場から離れようとしたら、

琴子は、その猫に向かって歩き出す。

「ちょっ…琴子!」

琴子は、汚れるのも気にしないで、
その猫を抱きかかえて、

「この子、首輪ついてる。可哀想に…」

猫の頭を撫でた。

「琴子!そういうのを可哀想って思ったらダメなんだよ。霊がとりつくって!」

「そりゃあ、見て見ぬフリされたら、祟りたくもなるだろ。
七海、イヤなら見なくていいから、どっかから段ボールもらって来て。」

「でも…」

「早く!」

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