ヴァイブ
私は、言われた通りに近くのコンビニに入って、お菓子が入ってた段ボールを貰って、
琴子の所へ戻った。

戻ると、猫は琴子が着ていたベストにくるまれて、琴子に抱かれていた。

「持ってきたよ。」

「ありがとう。」

琴子は、ベストにくるんだ猫を段ボールに入れて、

「ちゃんとかえしてやるかな。」

寂しげに言ってから
琴子は歩き出した。

私は、何も言わずに、後をついてく。


琴子が向かっていたのは、学校から少し離れた所にある橋の下だった。


雨が降った日や翌日は、水かさが増してるから危ないけれど

それ以外の時は、絶好のサボリ場。


よく授業を抜け出してココでサボってる。


琴子は川岸にしゃがんで、

猫を入れた段ボールを離してから、

「生まれ変わったら、また同じ飼い主に可愛がってもらえよ。」

目を閉じて手を合わせた。


「飼われてた猫だったんだろ?勝手にこんな事していいのかよ?」

琴子は、立ち上がって

「これでいいんだよ。」

「何で?」


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