ヴァイブ
「あっ!そうだ!」
琴子は、飲んでいた缶ビールをテーブルに置いておもむろに鞄の中から財布を取り出して

一枚の長方形をした紙を出した。

何の気なしにその紙を見ると


そこには―――

『高見 玲二』

と書かれている。


「これっ…!?」

素早くその紙を手にして、

穴があくぐらい集中的にその名前を何度も目で辿った。


タカミ レイジ……

あのタカミ レイジなのだろうか??


「こないだ、職場の人達と行ったバーの店長の名刺。
前に、七海が話してた人の名前と同じだと思ってさ。」

「う…ん…。」

タカミ レイジ…

「ねぇ!この店、どこにあんの!?」

「街の中だよ。」

「場所とか覚えてる!?」

「覚えてるけど。」

「行きたい!」

琴子に迫る。



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