ヴァイブ
「今から?」

「うん!終電の時間、まだ大丈夫でしょ!?」

「大丈夫だけど…」

「じゃあ行こう!」

琴子は、少し考えてから

「よしっ!じゃあ行くか!」


急いで街用の格好に着替えて、駅まで向かう。

ドキドキしながら、電車に乗って、手鏡を見ながら身だしなみを整えた。


…あの快感をもう一度味わえるかもしれない…


タカミ レイジ本人なら―――





「この店だよ。」

四階建てビルの中の二階のテナントのひとつに、
【BAR たかみ】
看板に筆文字風の字で書かれていた。


小さく深呼吸してから、
ドアをゆっくり開けた。

カランカラン

ドアに付いてた小さな鐘が鳴る。


中に足を踏み入れると、
店内は薄暗くて、
天井から吊されてる照明が煌々と
落ち着いた雰囲気を出していた。

真っ直ぐ伸びたカウンターに、一人で来てる様な客がイスをひとつづつ挟んで座っていた。

「いらっしゃいませ。」

白いYシャツを着て、黒いパンツを履いてる私と同い年ぐらいの男の子がカウンター越しに軽く微笑む。
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