ヴァイブ
「ねぇ、一人なの?」

見知らぬ男が声をかけてくる。

昼間の暑さを残す様に、夜も生温い温度。

黒のキャミワンピを着た私に話しかけてきた男の目的もSexだけだ。

「そうだけど?」

少し冷めた目で、その男を見ながら軽く品定めする。

茶髪にピアス、いかにも、遊び人です。ってなのを地でやってる様な男。

「俺と遊ばない?」

ヘラヘラ笑いながら、軽く言ってくる。

男が喋る度に、酒の匂いがする。

酔った勢いでナンパ?

まぁ、いっか。
これ以上、ココに突っ立ってるのもしんどくなってきたし。

休みたい。

「いいよ。どのホテル行く?」

私の言葉に、声をかけてきた男はワザとらしいぐらいに驚く。

「まじで~?いきなり~?もしかして、俺って君のもろタイプだったりする~?」

調子に乗ってる言い方に、嫌気をさしながらも

「あそこでいっか。近いし。」

私は、少し先に見えるホテルのネオンを指差した。

と言うかどこでもいいんだ。


今日、声かけてきたのは、この男で四人目。

どれも、この男もたいしたタイプではなかったけど、

もう他の男から声をかけられるの待つのも、かったるい。
かと言って、自分から声はかけない。


< 3 / 223 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop