ヴァイブ
店内を見渡す限り、店員はその子と…

もう一人、その子と同じ様な服を着てシェイカーを振ってる男の人。


…どちらもタカミ レイジではない。

「お客様、初めてですよね?置くの方に、ボックスもありますが…どうされますか?」

営業スマイルを向けてくる店員に

「じゃあ、ボックスで。」

私が言った。


その男は、カウンターから出て来て、

「こちらです。」

席に案内された。

四人くらい座れそうなボックス席に、座って、差し出されたお絞りで手を拭きながら

「タカミ レイジって人は、今日はいないの?」

聞くと、

「高見は、今、少し出てますがすぐに帰ってこられますよ」

そう答えた後に、オーダーを聞いて
琴子はビール、私はカシオレを頼むと
男はカウンターに戻って行った。


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