ヴァイブ
10分ぐらい経ってから

カランカラン

ドアの鐘が鳴る音。

BGMは流れてるものの、
自分の所まで聞こえる。

ドキンと心臓が跳ね上がら、

ドアの方を見た。

薄暗いから姿は、よく見えないが

「今日も来たよ~。」

女の声。

どうやら、常連客の様だ。

タカミ レイジではないのを確認してから、
またカシオレを一口飲んだ。


「ちょっとトイレに行ってくる。」

琴子に告げてから席を立って、トイレへと向かった。


便座に腰をかけて、

はぁ~…

出るのは、やっぱり溜め息。


ずっと、心臓の音が自分でわかるぐらい

ドキドキ

言ってる…


用を足してから、洗面台の前に立つと

また、身だしなみをチェックした。


…大丈夫。

私なら、タカミ レイジと会えたら、自分から誘える。

ほぼ自分から誘った事がない程、

男から言い寄って来る。

だから、実際の所、“誘い方”なんか知らなかった。

それでも、自信があるのは、この容姿ゆえの事だった。


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