ヴァイブ

『大丈夫…きっと大丈夫だから…』

私を安心させようとする低い声。

苦しくて、乱してた呼吸を整えようとしてる。

『大丈夫…』

『大丈夫…』

何度も繰り返された言葉。



―――忘れよう―――



パチッ…

目を開けると、真っ暗で、何が起こったのかはわからなかった。

暗さに目が慣れてきた所で、寝かせられてた体を起こして、回りを見る。


知らない部屋…


何でココにいるか、考えてみた。

えっと…

タカミ レイジの名刺を琴子が持ってて、その店に行きたいって言って…

店に入って、タカミ レイジを待って…

本人と対面して…？

そこからか…
意識が遠のいたんだ。

何で…？


でも、目が覚める直前に、

忘れもしないタカミ レイジの声で
『大丈夫』
って、言われてた１４の私を見た。

あれは…

夢なのか？

それとも、現実で、なくした記憶の一部なのか…



わからない。