ヴァイブ
「~~~…」

どこからか、微かに話し声が聞こえる。

その声の方へと、手探りで歩き始めた。

壁らしきものにぶつかったから、それに沿って手を泳がせると
ドアノブを見つける。

それを回して、その壁を押した。

寝かされた方とは違って、
明るく電気がついてる。

眩しくて、目を細めた。


「あっ…!
七海、起きた?大丈夫?」

琴子の声。

琴子は、私に気付いて、駆け寄ってくる。

「…うん…?
私……」


まだ、頭が少しボッーとしてる。

「急に倒れるからビックリしたよ。」

「うん…ごめっ…」
状況がまだよく飲み込めない。

「もう起きてても大丈夫そう?」

そう言いながら、私の方に来たのは

店にいた店員。

最初に席を案内してくれた男だった。


「あれ…?なんで…?」

不思議に思いながら、聞く。

「ここは、玲二の家だよ。」

レイジ…?

「救急車を呼ぼうかとも思ったんだけど、アル中なわけでもなさそうだから、とりあえず、店から近いし玲二の家に運んだ。
気分悪かったりしない?」

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