ヴァイブ
そんな思いで、今日の相手は、この男に決定された。

ホテルに入ってすぐ、私はシャワーを浴びた。

私が出たら、男もすぐにお風呂場へ。

その隙に、自分の鞄に忍ばせておいたコンドームを
部屋に備えつけてあるコンドームとすり替える。

Sexが好きな分、避妊と性病予防には、慎重だ。

ホテルのコンドームには、穴が空いてる。

そんな噂を聞いた事がある。

全部が全部、そうでないと思いたいけれど、
「もしも」の事を考えながら行動をする。

だから、名前も…


「そういえば、名前は?」

シャワーを終えて、腰にバスタオルを巻いて男が、私の座ってるベットへて近付く。

「…ミキ。」

偽名を使う。

昔、好きだった漫画の主人公の名前。

男は、わかってるのかわかってないのか、

「ミキね。俺は、トオル。」

自己紹介する。

明日になれば、忘れ去る名前。

それだって、本名なのかわからない。


男は、私の横に座って、私を抱き寄せる。

「ミキ…。」

耳元で偽名を囁く。

耳を甘噛みしてから、首筋に舌を這わせた。

そのまま、私をベットに押し倒す。

私の顔に、“トオル”の顔が近付いて、唇に唇をあてた。


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