ヴァイブ
―――半年前

今日は、どの女にするかなぁ…??

街の中に立って、ぐるっと辺りを見渡す。

その時の俺の日課は、

泊まる場所探し。

イコール

女を探してた。

一緒に、ホテルへ行ってくれる女。

一人で寝るのは、寂しくて嫌いだ。

誰でもいいから、夜は一緒に寝て欲しかった。

…なんか女みたいな考えだな。

誰でもいいから寂しさを埋める為に

抱いてほしい―…


…別に、誰かに埋めてほしいわけじゃない。

そんな事は望まない。

俺の孤独感は、きっと誰も救えない…



背が高くて、見た目も悪くない。

昔からモテていた。

今も…
ちょっと声かければ、高確率で女はついてくる。

だから、俺にとったらナンパなんて

赤子の手をひねる様なもの。



ホテルに入って、

ヤル事ヤッて、性欲を外に出してしまえば

ぐっすりと眠れる。

ある意味、俺の睡眠薬。


こんな事をいつまで続けるとかなんて、

考えた事はない。


だけど、家には帰りたくはなかった。


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