ヴァイブ
なんなんだ?
この人は…

「ところで、君は何の仕事してるの?」

スクッと立ち上がって聞かれて

「何もしてない。」

地元にいる時は、営業の仕事してたけど、それも捨ててきた。


「おっ~!じゃあもってこいじゃないか!一緒に働こう!!」

ニコニコしながら言う男を振り払いたくて

「住み込みならいいよ。」

無理な条件を出した。

男は、口を閉じて困ってる様だ。

この隙に去ろう…

「じゃあ、俺ん家来るか?」

「はっ!?」

そんな言葉が出てくるなんて思いもしなかった俺は、
開いた口が塞がらない。

「そっかぁ。住む所がないのかぁ。
いいよ。俺ん家来ても。
生活費は、しっかり貰うけどねっ!
給料から天引き!」

じゃあ、行くか。と俺の腕を引っ張りながら歩き始める。

俺はそれを振り払って

「いいのかよ?見ず知らずのヤツを家に泊めて?」

「見ず知らずじゃなくて、これから共に働く仲間だろ。」

「わけわかんねぇ。貴重品は、しっかり隠しておいた方がいいぞ。」

「君は、盗みをする様な子ではないな。」

「そんなのわかんねぇだろ。他人なんだから。」


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