ヴァイブ
「わかんねぇならいい!じゃあな!!」

ドアを開けて、廊下に出てから

いくつか部屋のドアを見て、


相当、広い家だな。
タカミ レイジは一体、何者なんだ?

疑問を感じながらも、

その家を後にする。


外に出ると、タカミ レイジのBARが入ってるビルが少し先に見えた。

ホントに近いんだな。


とりあえず駅に向かって歩き出す。


目的を果てせる寸前で、

結局果てせなくて…

待ってる意味なんかなかった。


響の嘘だと思われる人生話に、耳を傾けていただけなんて…

少しづつ怒りが沸いてくる。


だけど―――

タカミ レイジに触れてた少しの間

私の体は、期待をする様に、一点が潤い始めていた。

ムズムズと、快感が与えられるんだ。と喜びそうになっていた。


…バカだな。


それでも、

タカミ レイジに触れられてからは唸る鼓動は消えていた。

あんなに、ドクドクしてた心臓が

タカミ レイジに触られて、

なくなるなんて。



琴子にまで迷惑をかけそうだったのに…

名残惜しく思ってしまう自分を憎む。



< 58 / 223 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop