ヴァイブ
タカミ レイジのマンションの入り口に入って、
部屋番号を押してから呼び鈴を鳴らした。

怒りながら出てきた割に、しっかりと覚えている部屋番号。


ってか、今の時間ってもしかして仕事中?

BARの方に行った方がヨカッタかな?


店まで行こうか考えてると

「はい。」

この声は、響?

ドアホンから声が聞こえる。


「七海…だけど…」

響はどうでもいい。
心の中で、思いながら名乗った。


「ななみ?
あ~!昨日の!鍵開けるから入っておいで~。」

妙に親しげな口調。

ロックが外されて、中に入ってエレベーターに乗る。


エレベーターを降りた所で

「いらっしゃーい。」

わざわざ響が出迎えてくれた。

「どうも…」

目を合わせようともせずに、響の横を通り過ぎる。

タカミ レイジの部屋まで行って
勝手に、玄関のドアを開けて

「お邪魔します。」

小声で言いながら、リビングへと足を進めた。


「あれ…?」

リビングに入ると誰もいない。

「玲二は仕事だよ。」

後ろから響の声がした。


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