ヴァイブ
私は、振り向きもせずに

「ふ~ん。じゃあ、勝手に待たせてもらう。」

ソファーに腰をかけた。



響は、向かい側の床にクッションを引いて座る。

「いや~、ホント玲二スゴいな。」

響の言葉に

「はっ?何いきなり?」

この男とは、あまり話したくない思いも混ざって、冷たい態度。

「玲二が、七海は、きっとまた来る。って言ってたんだよね。」


…?


「何で?って聞いたら、そんな気がするからとしか言ってなかったけど、
本当に来るなんて玲二の勘はスゴいなぁ~。」


「あっそ。」

響の話は、右から左に流しながら、

鞄から携帯を取り出して、いじりだす。

待ってる間、ヒマだからテトリスでもやってよう。


響の視線を感じるけど、完全に無視状態。


「…友達を襲うって言ったから怒ってるの?」


響の質問に

わかってんじゃん。

心の中で返事する。

「あれは、冗談だよ。」


はっ?


「あん時、玲二がアイコンタクトで、話を合わせろって言ってたから、連れてこうとしただけだよ。
実際、何もする気なかったし。」


「嘘つき。寝込み襲うの好きだってヤラシイ目つきで言ってただろ。」


< 63 / 223 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop