ヴァイブ
「響…?」

真帆と言われた女を見た。


真帆…
どっかで聞いた名前…


「真帆。安心しなよ。七海は、俺のだから。」

玲二は、真帆に笑顔を向ける。

「はっ?いつから玲二のモノになったんだよ?」

「ウチに来た日から。」


「ウチ?玲二さんの家に住んでるの?」

真帆が聞く。


ってか、この女には関係ない事だろ。


そう思っても

「そうだよ。でも、大丈夫。七海、俺と寝てるから。」

玲二は会話を続ける。

「そっか…」

安堵の声を出す女。

それより、

玲二が私の彼氏ヅラしてる態度が…

ムカツク。

ムカツクのに…

何だ…?

何で?

言い返せない。

訂正しない。


モヤモヤした気持ちでいると

フイに思い出す。

“真帆”の名前の事を。


響を好きな女だ―



玲二と仲良く話す真帆に

「響とSexしたの?」

唐突に聞いた。


「えっ?」

顔を真っ赤にしながら、

「えっ?あの…」

キョドる真帆を見て

「隠す事でもないじゃん。」

平然とする私に

「初対面の人にそんな事、聞かれたら誰だってビックリするよ。」

玲二が助け舟を出した。


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