バカモンのスゝメ【短編】
仕方がないので二人は逃避する事にした。

「呑もうか」

「そうするか」

もちろん酒類の事だ。

何もする事がなくても酔っぱらっちまえば楽しくなれる。

二人は若くしてすでに立派なクズへと昇華しつつあった。

「では早速買い出しに行くとするか」

金のない二人はどこかの店に入るのではなく当然のように家飲み派だ。

酒好きな生倉はこうなると突然フットワークが軽くなる。

もう完全にさっきまでとは別人だ。

その姿はまるでテロリストのアジトに突入する特殊部隊の隊員のようにキレが良かった。
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