倶楽部シェルター蝶
シェルター

時々軽い振動がするがもう慣れた。


俺は、大きなソファに座って葉巻を吹かす。


葉巻なんて旨いとは思わないが、沢山ストックがあるのでたまにこうして金持ち気分を味わい。


外は、大変だろうなあと思いながらも本当は、あまり気にしてない。


ほんの二週間前までホームレスだった俺にとってはここは、天国だ。


偶然見つけて潜りこんだ。

核シェルターだった。


シェルターと言えば狭いイメージだがここは、広すぎるくらい広い。


最初は、驚いたが今ではすっかり慣れた。


今俺が、座ってる部屋は娯楽室だろうか。ソファがあり大きなテレビがありビリヤード台もある。


テレビの横の棚には大量のDVDが、だいたい二千枚はある。


ざっとみただけで古い映画から新しい映画や、アダルト物や、テレビのコント物や、ドキュメントなんでも揃っている気がした。


俺の知らないタイトルが沢山あったが中には子供の時に観た西部劇があり俺は、毎日一本は観ている。


DVDの棚の横には、ぎっしり詰まった本が、並んでいる。これも軽く二千冊は越えそうだった。


しかし俺は、本など読まないのでほとんど興味がなかった。

せいぜい読んだのは、プロレスラーの自伝くらいなものだ。

その横の棚には、漫画や写真集などが五百冊くらいある。


なぜ漫画が少ないのだと残念に思うが仕方ない。

< 1 / 17 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop