倶楽部シェルター蝶
俺は出入り口に行って見る壁に扉が付いている。
開けてみると防護服が出てきた。
かなり厚手の何だか分からない素材で出来ていて重かった。
「どうも~スナックシェルター真知子です。」
またもやテレビが勝手に点いて誰か喋ってるようだ。俺は、テレビの前に戻る。
そこには小肥りのおれと同じくらいのおばさんが映っていた。綺麗とは言えないがどこか愛嬌があった。
今度は自分から無線機を取る。もしもしと言うとさっきより雑音が激しいが女の声がしてきた。
「あら、早いわねーもしかしたらどこかからもう連絡来た?」
「はいきました。倶楽部シェルター蝶からです。」
「ちっあの餓鬼。まぁいいわ。うちは小ぢんまりしたスナックです。
倶楽部シェルター蝶の横にネオンがありますから、それとお好み焼きも出してますから、気軽に寄って下さい。
若い人ばかりだと疲れるでしょう。
是非とも寄って下さい。シェルター番号何番ですか?」
「四ですが、何を持って行けばいいですか?」
「げ!四ですか。山鳩さんですか?」
「いえ違います。何を持って行けばいいのかなあ?」
「あらま。山鳩さん自分のシェルターに入れなかったのね。
いい気味ね~あのね~そこなら新鮮な野菜があるでしょう。
そんなに長くはもたないはずだからそれを沢山と、リンスと、それからあ~そうねえ小麦粉と卵あとは、オレンジジュースとかコーラね。
あ!あともう一つティッシュペーパーごめんなさいね。
もう一つだけブランデー五本ほどお願い。じゃお待ちしてますね。」
またもテレビも無線も同時に切れた。