『サヨナラの3分前』【短編集】
8.カラフルな世界
〜カラフルな世界〜
もしも、私が消えたとしても、世界はグルグル回り続けるだろう。
だけど、あなたが消えてしまったら、私の世界は時を止める。
空は色を失い、花は香りを失い、街は音を失うだろう…。
私の世界を壊せるのは、神様ではなく、
きっと…あなた。
あなたに出逢って、恋をして、
私の世界には色が付き、光り輝いたんだ。
あなたが話し掛けてくれるだけで、
私の細胞はパニック状態。
あなたの手が、私に触れてしまえば、
地震が起きたみたいに、心臓が震えだす。
創造者のように…
魔法使いのように…
神様のように…
私の世界を支配する。
きっと…
この世界はあなたのもの。
あなたの世界の神様にはなれないかもしれないけど、
花を咲かせることぐらいは出来るかな?
あなたにも見てほしくて、
あなたにも見せてあげたくて、
色に満ちた、このカラフルな世界を…
「知っているかな?」
「見ているかな?」
「あなたは恋をしていますか?」