キミがいなくなるその日まで
運命という名の
人間は生まれた瞬間から人生が決まっている。
それを人は運命(さだめ)と呼ぶ。
だから私はもがく事も変わる事もせず今まで生きてきた。
だからだろうか?
今、死ぬか生きるかの別れ道なのに何も感じない。だってもう運命は決まっているんでしょ?
私はそれに従うだけ。
難しい事じゃない、私にとっては簡単な事なの。
『マイちゃん、カーテン開けたら?今日はすごく天気がいいのよ』
私はその声に反応する事なく、布団に顔をスッポリ埋めて横になっていた。
そんな反応の無さにその声の主は静かに私の部屋から出て行く。
パタンとドアが閉まる音と同時に私は布団を剥ぎ、ドアの方を見てため息をついた。
確かに外はいい天気だ。
白いカーテンからは眩しいくらいの光が漏れている。
─────でもそれがなに?
いくら晴れていても例え雨が降っていても私には関係ない。
私の居場所はここだけ。
白い天井に白いベッド。
白いカーテンに日焼けを一切してない白い肌の私。聞こえるはずのない白衣の天使の声が幻聴のように聞こえてくる。
「今日も相変わらずだったわ。話しかけても無視だし」
「最近の若い子は皆そうよ。妙に冷めてるって言うか…愛想がないよね」
「でも仕方ないのかもね。一番遊びたい年頃だし、
色々したい事もあるだろうしね」
「そうよね。まだ17歳だもんね。可哀想に」
そんな声が繰り返し繰り返し
頭の中で流れてる。
< 1 / 183 >