キミがいなくなるその日まで
私はその後、ロビーにある自動販売機に向かった。迷わずミネラルウォーターのボタンを押した直後にまた背後から声が。
『マイおはよう』
私は飲み物を手に取り、その声の主を無視した。
そしてそのままソファーに腰かけてペットボトルのフタを開けた。
『あれ、なんか怒ってる?』
私の隣に座ったシンは不安そうに私の顔を覗き込んできた。
『勝手に部屋に入らないでくれない?しかも寝てる時に入るなんてあり得ないんだけど』
そう言ってポケットから折り鶴を出してシンに突き返した。
『寝顔は見てないよ?』
キョトンとした顔で返すシンに私は珍しく声を上げる。
『そうゆう問題じゃない!』
静かなロビーに私の声が響いて、そこに居た人達が一斉に私の顔を見た。
何故かイライラする。
何故かモヤモヤしている。
その理由は……………………
『言っておくけど私はあんたと仲良くする気なんてないし、なるべく誰とも関わりたくないの。友達が欲しいなら他当たってくれない?』
この病院に入院してる間は馴れ合いなんていらない。昨日少し話したくらいで、なつかれたら困るし。
『どうして?誰とも関わりたくないなんておかしいよ』
シンは私の言動に動じず、理由を訪ねてきた。
『うるさいな。あんたに関係ないでしょ』
イライラは募るばかりで、なんだか胸が苦しくなってきた。
『関係あるよ。俺はマイと仲良くなりたいのに』
シンはまるで犬みたいだ。フリフリと尻尾を振って私に歩み寄って来ようとする。