キミがいなくなるその日まで
┗常夜灯
『────シンっ!!!』
私はすぐに駆け寄った。
シンの呼吸が荒い。これは間違いなく突発性の発作だ。
『待ってて、今誰か呼んでくるから』
そう言うと苦しそうなシンが私の腕を掴む。
『………はぁ…平…気。……10分ぐらい…したら治まるから………っ』
まるでいつもの事だからと言ってるみたい。
でもこんなシンを10分も見てろって言うの?
私には無理だよ。
『………マイ……薬、棚にある薬………取って』
『薬?』
シンが指差した方向を見ると薬入れらしき物が置いてあった。慌てて中を確認すると私が普段飲んでいる倍以上の薬の数。
…………シンは毎日これを飲んでるの?
そんな事を考えてしまったけど今はそんな事どうでもいい。早く発作を止めてあげなくちゃ。
私は薬の中から発作に効く頓服薬(とんぷくやく)を発見した。
でもこれは発作が起きる前に飲むもので起きてから効果があるかは分からない。
『シンっ、これ?』
私は顔を覗きこみ手の平に乗った薬を見せるとシンは無言でうなずいた。
『待って、今水を……』
『…………はぁ……はぁっ………っ』
シンは胸を押さえながら必死で呼吸を保とうとしていた。でもその体はどんどん床に埋もれていく。
『………はぁ…はぁ………ヒュー…ヒューヒュー………』
私はシンの呼吸に混ざって聞こえる奇妙な音を聞き逃さなかった。