キミがいなくなるその日まで
バタンとベッドに倒れ込み、そのまま天井を見つめた。私の病室は個室で訪れる人は医者か看護師か家族くらい。
友達はそれなりに居たつもりだけど、入院してからは少しだけ疎遠になっている。
お見舞いに行くよとメールが来たりするけど、私はすぐに退院出来るから大丈夫と断ってきた。
だって病院って暇だし、わざわざ来てもらってもこっちが逆に気を使う。
それに……友達の姿を見たら余計に自分が惨めになる気がして恐い。
学校の話とか流行りの話とか、そんなのが聞きたい訳じゃない。
『マイちゃん、診察の時間よ』
病室のドアが開き、中村さんが私を呼びに来た。
私は無言で廊下に出て風間先生が居る診察室へと向かう。
診察と言っても心臓の心拍数を見たり、私の健康状態を見るだけでそんなに時間はかからない。
『うん、もういいよ』
いつもの手順で診察が終わり、私は胸まで捲っていたシャツを元に戻した。
その後風間先生はカルテに私の状態を書き込む。
この数秒の沈黙が私は嫌い。
書き終わったペンを先生は机に置き、クルッと椅子を私の方へ向けた。
『状態は今の所問題はないよ。心拍も安定してるし体温も正常だよ』
私が『ふーん』と軽い返事を返した後に
『でも…』と風間先生が付け加える。
『最近ご飯を半分以上残してるって聞いたよ。
どこか体調が悪かったり不安な事でもある?』