キミがいなくなるその日まで
考えて見ればシンは男だし、そういう事が起きても不思議じゃない。
まぁ心臓病を抱えた二人がやるなんて自殺行為。
最中に死んじゃったら冗談でも笑えない。
『なんかお泊まり会みたいだね』
なんて、隣でワクワクしているシンとそんな事起こる訳がないけどね。
『これってクリスマス会って言うの?ただ布団被ってツリー見てるだけなんだけど』
これじゃ本当にシンが言うようにただのお泊まり会だよ。
『いいんだよ。それにこうしてマイと居るだけで俺は楽しいんだから』
シンは天使の顔をした悪魔かもしれない。
私の一喜一憂を簡単に操ってしまうから。
『診察はどうだったの?先生に呼ばれたんでしょ?』
ピカピカ光るツリーの明かりが私達の顔を照らしている。私より少し大きなシンの足が私の親指と当たった。
『うーん、いつも通りかな。そんなに変わった事はしなかったよ』
そうじゃなくて、私は結果が知りたいの。
でもシンは嘘を付けないからきっと困らせてしまう。
『ふーん、そっか』
私はそれ以上聞かなかった。
だってシンの顔を見れば分かるよ。きっと良くない事があったんだって。
この前は腕だけだった浮腫(むく)みがもう鎖骨ら辺まで来てる。シンの体温はこんなに暖かいのに体の中はそうじゃない。
どうして時間は止まってくれないんだろう。