キミがいなくなるその日まで
その後カズキも私の顔を書いた絵をくれて、友達と約束があるからと帰って行った。
そして今はシンと二人きり。
『これねカズキ君と一緒に飾り付けしたんだよ。
その最中にマイが戻ってきたらどうしようって思ったけど』
本当は飾りつけしてくれたものを全部ちゃんと見たいのに、どうしても気持ちが追い付かない。
一生懸命やってくれたサプライズだけど私はまだ笑う事が出来ずにいた。
『…………マイ元気ないね。何かあったの?』
不安そうにしてるシンの顔さえ見る事が出来ない。もしかしたらシンはあのイヴの日から知っていたんじゃないのかな。
それならあの約束は?
春になったら海に行こうって言った時、
本当はどう思ったの?
『シンは私に何も言ってくれないんだね』
ふいに出てしまった言葉。
だってお互いに弱い所は見せようって約束したのに、シンが何も言ってくれないから私はいつも空回り。
詮索なんて本当はしたくないのにシンが居ない場所で私は探ってる。
そうさせてるのは本心を見せてくれないシンのせいだよ。
『………風間先生に何か聞いたの?』
『……』
って事はやっぱりシンは知ってたんじゃん。
せっかくの誕生日だったのに空気は最悪だ。
私だって何事もなく笑えたら良かったよ。
でもそんな事出来る訳ないでしょ?