キミがいなくなるその日まで
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それから私はシンの拡張型心筋症について沢山調べた。普段は読まない難しい本も積極的に読んでいる。
『マイが本を読むなんてね』
お母さんは洗濯物を畳ながらポツリと呟いた。
確かに私が読む本と言えば雑誌か漫画ぐらい。難しい医療の本は読めない漢字がいっぱいあって困る。
勉強出来ない人でも読むんだからフリガナぐらい書いといて欲しい。
『ねぇ、これって何て読むの?』
漢字を指差しながらお母さんに聞こうとした時、机に積まれた本がバサッと落ちてしまった。
『あーもうっ』
床に手を伸ばして拾おうとしたけど、急に胸の痛みに襲われて私は体勢を戻した。
『マイ、胸が痛いの?大丈夫?』
異変に気付いたお母さんがすぐに駆け寄ってきたけど、暫くジッとしてると痛みはなくなった。
『もう、平気だから』
再び落ちた本に手を伸ばし今度は全部拾い上げた。
最近、胸が痛む事はよくある。しかもそれは心臓がある左胸。
最初はチクリとして、だんだん気管が狭くなっていくように胸が圧迫される感覚。
自分の体の事は自分が一番よく分かるって言うけど、心臓が弱くなってる事は確実だ。
こんなに短い期間で何度も痛みに襲われると嫌でもそう思う。