キミがいなくなるその日まで
────────────
──────
次に目覚めた時、私は病室のベッドの上だった。
流れる涙が頬を伝(つた)って冷たい。
確か前にも同じような事があったっけ。あの時も長い夢を見て目が覚めたら…………
『マイちゃんっ』
呼ぶ方に顔を向けると中村さんが泣いていた。私を心配して流してる涙じゃない事は分かってる。
『マイちゃん、シン君が…………』
声にならないすすり泣きが耳に聞こえる。
私は叫ぶ事もなく、わめく事もなく、ただ目から溢れてくる涙を流しながら言った。
『うん、知ってる』
知ってるよ。だってシンは何も言わずに行ってしまったから。
私もなに一つ言えないまま悲しみだけを残してシン行ってしまったから。
ねぇ、シン。
あんたの居ない世界に戻ってきて心にぽっかり穴があいたよ。
交わした言葉も過ごした時間も沢山あったのに、
もうシンに会いたくてたまらない。
私はね、不安な事があるといつもシンを思い出してた。
そしたらどうしようって思ってた気持ちがどうにかしてやろうに変わるの。
だけど今はその強さをくれたシンは居ない。
どこを探しても君はもうこの世界に居ない。
君さえいれば良かった。
君さえ世界にいれば私はそれで十分だった。
ねぇ、私は明日からどう生きていけばいいの?