キミがいなくなるその日まで
┗君と私
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そして手術当日がやってきた。
病院は朝からバタバタと慌ただしくて手術は時間との戦い。
私は何もない清潔な部屋へと移され面会のお母さんですら消毒やマスクをしないと入れない。
『お父さんもカズキも来たいって言ってたんだけどね……』
『あの二人はすぐに風邪貰ってくるから駄目だよ。カズキなんて特にね』
私は冗談を言いつつ、胸にシンから貰ったハートの折り紙を当てた。
私物は一切持ち込めないけどこれだけは持っててもいいって先生が言ってくれた。
『それ、シン君からの?』
シンが死んだ事をお母さんもすごく悲しんでた。
マイの事を大切に想ってくれてたのにって。
『うん、私のお守りなの』
ねぇ、シン。
シンはもう居ないけどシンの心は私が貰ったよ。
怒った顔、泣いた顔、笑った顔、全部じゃないけど私が見たシンは心の中にいる。
だから安心して。
しっかり鍵をかけて無くさないように閉まったからもう大丈夫。
でもくじけそうになったり、泣きそうになったら鍵を開けて私からシンに会いに行ってもいい?
そしたら私きっと頑張れるから。
何があっても生きていけるから。