キミがいなくなるその日まで
距離という名の



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『今日夕方、カズキが来るって』


次の日、着替えを持ってきたお母さんが言った。


『ふーん』

私は売店で買ったファッション雑誌を見ながら軽い返事を返す。


カズキは私の弟で、小学三年生の歳は8才。

私と9歳も年が離れているからあまり一緒に遊んだ事はないけどいつもお姉ちゃんって慕ってくれている。


でもカズキと年がこんなに離れているのは私のせい。

私は5歳まで入退院を繰り返してたし、お母さんは私の病気を自分のせいだと思ってたから子供を作る気になれなかったらしい。

それで弟とは9歳も離れてる。


『じゃ、お母さん仕事行ってくるね』


一通りの作業を終えたお母さんは足早に病室を出て行った。私はドアが閉まったのを確認して雑誌を机の上に置いた。


お母さんは今でも私の病気が自分のせいだって思ってる。こうして毎日病院に通っているのがその証拠。

でも弟は病気ひとつした事がないぐらい元気だから私の病気は両親のせいじゃない。


“健康に産んであげれなくてごめんね”

子供の頃、お母さんは私にそう言った。


その言葉が今でも忘れられない。


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