キミがいなくなるその日まで




『あ、2時間でもいいよ。ちゃんと時間通り帰ってくるし1秒だって遅れないって約束する。だから…………』


私がさらにお願いをすると何故か風間先生はクスッと笑った。

なに?私は真剣なんだけど。


『ごめん、うん。なんか変わったなって』

『変わったって……?』


『だって以前のマイちゃんだったら外出許可より退院したいって言ったでしょ?そんなマイちゃんが時間制限までしてくるなんて』


退院はしたいよ。でも出来ないから私なりに考えて3時間が限界かなって。

正直ね、たまに胸が苦しくて夜中に目が覚める時がある。心臓病って突然、心臓発作が起きるから私だってどうなるか分からない。


『いいよ、文化祭行っておいで』

『………え、いいの?本当に?本当にいいの?』


聞き間違いかと思い、何度も確かめた。


『その代わり条件が三つある。1つ目は何か体に異変を感じたらすぐに戻る事。それが不可能だったら近くの人に救急車を呼んでもらいなさい。2つ目は時間厳守。必ず3時間で戻る事』


私は頷きながら先生の話を聞いた。


『そして3つ目は……………
お母さんの許可を貰う事。黙って外出する事は許さないよ。ちゃんと自分で言いなさい。いいね?』


多分、3つ目が一番難しい気がする。

お母さんは優しいけど病気に関してはすごく厳しくて、私がしたいと思う事は全て駄目だと言われてきたから。


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