キミがいなくなるその日まで
『どうして分からないの。マイは今大切な時期でしょ?人がたくさん居る文化祭で1ヶ月前のような事になったらどうするの?』
息苦しくて、意識を失うあの感じ。
先生の言う事もお母さんの言う事も聞いて、それなのに結局こうなった。
誰が悪いとかじゃない。でもどのみち悪い方に行くなら少しはワガママになってもいいでしょ?
『それでも私は行きたい』
多分私はみんなと進級するのも卒業するのも無理だと思う。
だったらせめて文化祭ぐらい………
『それならお母さんも一緒に行く。マイ一人を今の状況で行かせるのは無理よ』
その一言で私は込み上げていたものが言葉として出てしまった。
『17歳にもなって親と一緒に文化祭?少しは私の気持ちも考えてよ』
周りがどんな反応をするか、どんな空気になるのか。病気で同情される事だって嫌なのにその上笑い者?
こんな私にだってプライドはある。
『お母さんが心配してくれてるのは分かる。でも今回はお願い。多分、最後だから』
すると、お母さんはガタンっと椅子から立ち上がった。
『最後ってなに?マイは元気になる為に今入院をして治療してるの。文化祭だって学校だって元気になればすぐに……』
『心臓移植したらの話でしょ』
『そうよ。簡単な事じゃないけど必ず神様はマイに味方してくれるから』
『………』
その後も話は平行線のまま。結局、文化祭に行っていいとは言われなかった。