キミがいなくなるその日まで

┗本音




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次の日、私はいつもより早めに目が覚めた。寝ていたのか起きていたのかあやふやな朝。

私は学校に行っていた通り化粧もして制服に着替えた。

久しぶりの制服はなんだか気持ちを自然に引き締めてくれた。


『マイちゃん、風間先生の所に行こうか』


中村さんが私を呼びに来た。今日は普段通りの時間に診察出来ないから今から診察室に行く。

それで問題がなければ私は外に出られる。


『気分はどう?』


先生もどこか心配そうな顔つき。


『別にいつも通りだよ』

そう私が答えると聴診器を当てる先生の手が止まる。


『でも緊張してるみたい』

『………』


心臓の音を聞かれてしまうのは反則だ。例え強がっていてもそこは嘘をつかないから。


『マイちゃん、分かってると思うけど約束は守ってね』


私はいつも飲んでいる薬の他に緊急時に飲む強めの薬も処方された。万が一、発作が起こった時の為。私にとってはお守りみたいなもの。


診察室を出ると廊下をウロウロしているシンに会った。

多分、折り紙を部屋に届けたら私が居なかったから慌てたんだと思う。


『シン』

キョロキョロしている顔がちょっと新鮮でまだ見ていたかったけど可哀想だから声をかけた。


『マイっ!びっくりしたよ。病室に居ないから……あれ、制服?』


高校の制服を着てシンと話すのはなんか変な感じがする。


『………マイどこか行くの?』


シンが不安な顔をした。シンに話さなかったのは私が弱くなるから。

無事に終わるまでは強い私でいい。


『文化祭、じゃぁね』


私はわざと素っ気なく言って、そのまま病院を出た。



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