キミがいなくなるその日まで

┗出逢い




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次の日、私は目が覚めて暫く天井を見つめていた。1ヶ月この部屋で過ごしているけど病院の天井はやっぱりどこか冷たく感じる。


重たい体をベッドから起こし、ふっと目線をずらすといつもとは違う光景があった。


それはベッドの横に置かれたテレビ台の上に黄色い折り鶴が一羽。私はそれを手のひらに乗せ、それと同時に病室のドアが開いた。


『マイちゃんおはよう』


現れたのは白衣の看護師だった。


看護師は毎朝病人の体温と血圧を図りに来る。私の病室を担当しているこの人の名前は中村さん。

割りとベテランの人らしく、手際もテキパキしていた。


『それね、302号室のシン君が朝早くマイちゃんの病室に入って置いて行ったのよ』


“それ”とは勿論黄色い折り鶴の事。


『……ふーん』

血圧測定器のバンドを腕に巻かれながらやる気のない返事を返した。

何の為に?

そう聞こうとしたけどそんな事中村さんが知っている訳がない。


昨日初めて会ったシンの事を私は何も知らない。


知っているのは名前と今聞いたばかりの302号室の病室だけ。


この折り鶴の意味さえ、私は知らない。




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