キミがいなくなるその日まで
『俺はリス。マイに似てるでしょ?』
私には絶対作れない複雑な折り方。ってかリスに似てるってどの辺が?
私はシンが折ってくれた折り紙を受けとると、
引き出しから宝物入れを出した。
『全部取っておいてくれたの?嬉しいな』
その箱には今までの折り紙が全部入ってる。
もちろん最初に突き返したあの鶴も。
『………それは?』とシンが何かを指さした。
『トンボ玉。お父さんに貰ったの』
こんなキラキラしたの持ってたらまた女の子らしいってからかわれるかな。
私はシンがまだ見ているのに照れ隠しで箱を閉まってしまった。
『あ、そう言えばシンの両親ってどんな人?』
話の流れで聞いてみたけどすぐに失敗したと気付いた。だってシンが困った顔をしてたから。
『お父さんは居ないよ。俺が小さい時に事故で死んじゃった』
馬鹿だ、私は。
シンの気持ちも知らないで。
『…………ごめん』
『ううん、いいんだよ。マイがそんな顔しないで』
私は少し自惚れていたのかも。勝手にシンの事を理解してるつもりになっていた。
『お母さんはね、優しい人だよ。でもあまり病院には来ないけど』
『………』
『俺の事が可愛くないのかもしれないね』
シンはへへっと笑っていたけど心は全然笑えていない。
私は本当に馬鹿だな。