キミがいなくなるその日まで
シンの悲しい顔を見ると胸がぎゅーっとなる。
発作とは違うこの傷みは一体なに?
そしてシンにそんな事を言わせてしまうお母さんってどんな人?
だってシンはいつも戦ってるし、いつも頑張ってる。なのに子供に会いにこない理由はなんなんだろう。
とても歯がゆさが残ったけどこれ以上聞く事は出来なかった。
『あ、日の出だよ。マイ』
シンはすぐにいつものシンに戻った。
病室の白いカーテンを開けるとビルの間から眩しい朝日が昇っていた。冬は日の出は遅いって知ってたけどまさかシンと見れるなんて。
『綺麗だね、マイと見れて良かった』
シンの頬に光が差し込んでいる。その横顔が何故か目に焼き付いた。
『ん?俺の顔になんか付いてる?』
視線を感じたのかシンと目が合ってしまった。
『べ、別に』
私は慌てて顔を反らす。シンの顔に見とれてしまうなんて私はどうかしてる。
『変なマイ。あ、そうそう。今日の夕方もいいものが見れるかもしれないよ!』
『………いいもの?』
シンはそれ以上教えてくれなかったけど、なんでも屋上でいいものは見れるらしい。
屋上っていつも行ってる屋上でしょ?
そんなに目を丸くしてはしゃぐようなものって何かあったっけ?