キミがいなくなるその日まで
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夕方になり私はシンに連れられて屋上に行った。でも何も変わった事はなく、普段通りの景色。
『っで?いいものって結局なんなの?』
こうして景色を見ること30分。
シンはもう少しだからと言い続けてるけど、
さすがに待つのも飽きてきた。
私は銀色の手すりに寄りかかり、ため息をつく。
『あんたがいいものって言うからちょっと期待してたんだよ?もしかしたら冬に花火とか流星群とかそうゆうのが見れるのかなって』
『えー違うよ。俺が見たいのはノスタルジ……』
シンはまずいと思ったのかとっさに口をふさいだ
『え?ノスタルジ……なに?』
なんとなく嫌な予感。だってシンが興味があるものは一つしかない。
『ノスタルジア電車。滅多に見る事が出来ない
特別な電車だよ』
出た、鉄道好き。私は一気にテンションが下がった。
『いいものってそれ?全然いいものじゃないじゃん』
『時間も通る駅も秘密にしてるから滅多に見れないんだよ?でももしかしたら今日この辺を通過するかもしれないんだ』
だからここから見える線路をずっと見てたんだ。
ノスタルジア電車って聞いた事ないけど有名なのかな?電車に興味ないから全然分からないけど。