キミがいなくなるその日まで



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『マイちゃんはシン君が好きなの?』


それから数日後、病室に来た中村さんが突然そんな事を聞いてきた。

血圧測定中の私は思わず大きな動揺をしてしまった。


『は?な、なに急に』

『あら、動いたら駄目よ』


動いたら駄目って変な事言うからじゃん。

私はエラーになってしまった血圧計に再びカフと呼ばれるバンドをきつく腕に巻かれた。


ドクン、ドクンと脈が打つのはきっと血圧計のせいだ。

中村さんは花瓶に生けられた花を整えながらまた話しを戻す。


『だってマイちゃん、シン君の話ばかりするでしょ?最初はあんなに嫌がってたのに』

思えばシンと仲良くするように勧めてきたのは
中村さんだったっけ。

それは年が近いから?それとも私にはシンのような存在が必要だって見抜いていたのかな。



『………好きじゃないよ、シンとはそういうんじゃないから』


終わった血圧はいつもより高めだった。

それにしても中村さんがシンの病室担当じゃなくて良かった。だって同じような事聞いてそうじゃん?


『そうなの?でもシン君はきっとマイちゃんの事が好きね』

『!!!』


私はせっかく折り紙の練習をしようと思ってたのにそれどころじゃなくなってしまった。



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