Neverland
「お前がばばぁなんだよ、子供は子供らしいからかわいいんじゃん?」
「子供らしくねぇ。」
ぽつりと呟き、もう一度小学生を見た。
「じゃあさ、なんで早く大人になりたいって思うのかな。」
「子供だから思うんだろ。何?彩花、早く大人になりたいの?」
一瞬、拓磨の顔がバカにしたように揺るんだ。
「そーじゃないって。」
「でも、たまにあるよなぁ。大人になりたいだの、まだ子供だなぁ、とか。」
「そういう時あるんだ?」
「たまにな、試合で負けた時とか親に当たるし、物にも当たるし。あとから子供っぽいことしたなって、そう思う。」
「あはは、あんたまだ反抗期なの。」
「うっせ。でもさ、何かきっかけがないと大人になれないと思うんだよね。」
「確かにね。」
話していると電車は駅につき、通りすぎてしまうところだった。
ここの駅から20分くらい歩いたところに学校はある。
通い慣れた道を当たり前のように歩く。
「あたしは子供らしくってゆうのがあまりわからないかな。」
「彩花は引越して来たときから何かつかめなかったなぁ。園児にしては冷めてるってゆうか。そういえばお前って今でも子供らくないって言葉が一番似合うね。」
「それってうれしくないよ。」
私は小学校に上がる前に今のマンションに母親と引越してきた。