Neverland

ママもパパも大好きだったから、迷惑をかけたくなかった。

マンションの小さな花壇のの端っこに落ちているコンクリートのブロック。

そこがいつもの私の場所。

それに座ってると、アリンコが行列を作っていて、明日また来るねって飴玉を落としておくの。

時間が経てば、いつもママが迎えに来てくれる。

気がつけば白いマンションは夕日で赤く染まり、ママが着せてくれた赤い服の私は消えてしまいそうになった。

あの頃、どのくらい待ってたんだろう。

夜になる前くらい男の人の気配がして、振り向くとママが見える。

「ママっ。」

男の人の顔は目を合わせたことがないから覚えてない。

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