Neverland
「彩花ー。」
男子の声がして、一瞬誰に呼ばれたのかわからなかった。
ガラッと椅子を引く音がして、前の席に誰かが座った。
私はビクッとなったのが自分でもわかり、一気に目が覚めた。
こういうビクッとなるのはなにかの現象?
なんだっけ?
自分でも意味の分からない事を考え、目を見開いて身体を起こすと前の席に座っていのはまた雄だった。
「おい、寝てんなよ。さっきの授業のノート貸してくれっ。」
わざわざ寝てるのを起こして何を言うのかと思ったらそんな事か。
「ごめん、寝てたからノート録ってないわ。珍しいじゃん?学校で話しかけるなんて。」
私は目をこすった。
「そうか?彩花が話しかけないから絡みが薄いんだろ。」
なんとなくまた雄に痛い所を突かれたなと思った。
「だって用事ないもん。」
「俺は用事で来た。ノート貸してよ。」
「だから、寝てたって。」
「役に立たねぇな、どうするんだよ俺のノート。」
「知らないわ。だいたい寝てるのにノート録ってるわけないでしょ。」