Neverland

当時の私達には大きい洗面台に背伸びをして手を伸ばした。

剛くんは小さな台に登った。

「ほら、たけし石鹸つけるぞ。」

意外にたくまは弟の面倒をしっかり見ている。

「ねぇ、おねぇちゃん隣でご飯食べようよ。」

「えっ、うんっ。」

剛くんはさっと手を拭いてあたしの手を引っぱりさっきのリビングへ向かった。

「なんだよ、たけし手ぇちゃんとふけって。」

濡れたままの手、雄の声が後ろから聞こえた。
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