Neverland
彩花はぼーっとしながらぽてぽてと歩き始めた。
朝は誰だって苦手だ。
キャアキャアと小学生がはしゃぎながら走り去って行く。
無邪気な小学校の姿が若干羨ましくもあり、ついあくびが出た。
「おはよー。」
すぐそこで声がして、自転車が止まった。
小学校からの幼なじみの雄。
「おはよー。」
「お前さーあくびくらい手あてろよ、ひどい顔。ほら乗りな?」
駅はすぐそこに見えていてせいぜい100m程度だけど、荷台が空いている雄の背中。
何も言わずすぐさま自転車の荷台に乗り込んだ。