Neverland

彩花はぼーっとしながらぽてぽてと歩き始めた。

朝は誰だって苦手だ。

キャアキャアと小学生がはしゃぎながら走り去って行く。

無邪気な小学校の姿が若干羨ましくもあり、ついあくびが出た。

「おはよー。」

すぐそこで声がして、自転車が止まった。

小学校からの幼なじみの雄。

「おはよー。」

「お前さーあくびくらい手あてろよ、ひどい顔。ほら乗りな?」

駅はすぐそこに見えていてせいぜい100m程度だけど、荷台が空いている雄の背中。

何も言わずすぐさま自転車の荷台に乗り込んだ。

< 5 / 32 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop