Neverland
カタンカタンとゆっくり電車は進み、穏やかに時間が動きはじめた。
窓の外はどこにでもありそうな住宅街が淡々と流れる。
座席に座ると、前に見えたのはさっき私の横を走っていった小学生。
私立の制服だったのですぐわかった。
周りのお客さんに迷惑にならないように小さくしている。
見た感じでは今年から小学2年生というところだろう。
私と同じ2年生。
私はこの新学期から中学2年生になっていた。
「あいつら、なんか俺らの時みたいだな。」
雄も小学生に視線を向けた。
「あの子達、私立の小学校の子だよ。電車に乗って通学なんてえらいね。」
「そっか、あいつらもう受験経験してんだな。大学までエスカレーターかな。」