Neverland
「小学校受験か、想像つかないや。今じゃ当たり前なのかな?」
「知らねー。」
話をしておいて無関心な雄にむっとなり、頭をくしゃくしゃになでた。
「おい、何するんだよ。」
何かこだわりがある頭なのか雄は鏡のない所で髪の毛を整えた。
「アハハハ。」
「お前最低だー。」
雄はまだ髪の毛が気になるようだった。
「ねぇ、あの子達、さっき私の横を走って行った子達だと思うんだけどさ。」
「だから?」
「今同じ時間の電車に乗ってるでしょ?」
「あたりまえじゃん。」
「時間は余裕あったし、私は貴重なエネルギーをなるべく使わないように歩く事を選んだわけ、ねぇ聞いてるの?」
雄はあくびをして何を思ったのか体をもぞもぞさせてシートから体を起こした。
「え?あぁ聞いてるよ。俺のエネルギーまで使わされたしね。おかげで眠たくなったよ。」
「いつからあんた省エネになったわけ?」
「うっせー。」
拓磨は寝不足なのかもう一度あくびをした。
「いや、ちょっとね、わざわざホームまで走るなんて元気だなーってさ。」
誤魔化そうと雄に笑顔を向けた。