崩壊家族
「――私…服部くんのことが、好きです…」

それだけを言っただけなのに、もう昇天してしまいそうだ。

心臓の音がうるさくて、めまいもする。

その時、私の手からチョコレートが離れた。

「ありがと、さゆり」

えっ?

名前を呼んでくれたことに、私は思わず顔をあげた。

そこには、チョコレート片手に優しく微笑む服部くんがいた。

「俺も、さゆりのこと好きだった。

グラウンドから、いつも図書室にいるお前のことを見てた」

そう言った服部くんに、私は驚いた。

つまり…服部くんも、私と同じ気持ちだったってこと?

「さゆり、つきあおうか?」

そう言った服部くんに、
「はい、よろしくお願いします」

私は頭を下げた。
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