崩壊家族
少し老けてしまったけど、面影はあの頃と変わらない彼――服部くんが、私の目の前にいた。

彼を見た瞬間、私の頭の中にあの時の思い出がよみがえった。

バレンタインデーの日に、初めて告白したあの日の出来事だ。

「服部くんも、同窓会なの?」

そう聞いた私に、
「うん。

って言うか、松嶋も?」

そう聞いた服部くんに私は照れくさそうに笑った後、
「久しぶりに出ようかなって…」

まさかこんなところで、服部くんに会うなんて。

そんなことを思ってなかったもんだから、私は戸惑った。

「へえ、俺も久しぶりに出て、みんなに会おうかなって。

ここ最近、仕事が忙しくてそれどころじゃなかったから」

優しく微笑むその顔は、昔のままだ。
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