崩壊家族
会場である最上階レストランに到着したとたん、
「おお、服部」

「よっ、久しぶり」

服部くんはかつてのクラスメイトたちに呼ばれて、すぐに彼らの輪の中へ入って行った。

早速服部くんは彼らと盛りあがっていた。

人気者はいくつになっても人気者なんだな。

そう思って遠くから眺めていたら、
「さゆり〜」

「あ、静子」

両手にカクテルグラスを持った静子が私に声をかけてきた。

静子がそのうちの1つのカクテルグラスを差し出したので、私はそれを受け取った。

「あ、さゆりだ」

「久しぶり〜」

静子の声に気づいたのか、みんなが私の周りに集まってきた。

「ちょっとちょっと、服部くんと一緒だったじゃん」

静子がニヤニヤと笑いながら肘で私をつついた。
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