崩壊家族
「わーっ、美味しそう!」

くすみが1つもない、キレイな黄金色の厚焼きたまごだった。

鼻を近づけると、しょう油のいい匂いがした。

「それじゃ、いただきます」

箸で厚焼きたまごを割ると、ほわっと湯気が出てきた。

厚焼きたまごを口の中へ入れると、
「美味しい!」

「だろ?」

洋介が厚焼きたまごを頬張った。

「こんな美味しい厚焼きたまごを食べたの、生まれて初めて!」

「ハハッ、連れてきた甲斐があったよ」

こんなに楽しい食事は、いつ以来だろう。

一緒に食べて、一緒に話をする。
< 37 / 105 >

この作品をシェア

pagetop