崩壊家族
カネさんは、洋介が雇っているベテランの家政婦さんだ。

彼がいない時、家事全般のことは彼女任せである。

洋介曰わく、超一流のスーパー家政婦なんだそうだ。

「お茶のご用意が整いました」

「まあ、ありがとうございます」

このように、私にも優しい。

「いえいえ、洋介様の大切なお方ですから。

さ、ごゆっくり」

優しく笑うカネさんにもう1度お礼を言うと、私はリビングに向かった。

洋介とやり直し始めてから、早1ヶ月。

同窓会以来、私は家に帰らず、洋介と一緒に暮らしている。

寂しいなんて思ったこともなければ、感じたこともない。
< 40 / 105 >

この作品をシェア

pagetop